16. '05年山歩き弥彦山でスタート

       〜 今年はどこまで歩けるだろう 〜

あなたは人目のお客さんです

◆ 陽射し受け雪はしまり、春は間近か

   

   3月の信濃川(長岡市左近堤防から)

 昨年の中越地震、そして年明けから近年にない豪雪と新潟県はいろんなことで難儀を強いられてきた。
 越後の冬も、雪に閉ざされて、じっとがまんの日々も3月に入れば日脚は確実に長くなり、陽射しも差してくる。陽を受けて積もった雪も堅さを増してくる。3月の晴れた一日、信濃川の左近の土手に行ってみた。田んぼや河原は平原のように一面銀世界。まだ1m50はあろう。遠くの東山は、鋸山を中央にしてまだまだ雪深く見える。でも、すぐ近くの桃畑で農家の人がカンジキをつけて枝の剪定に一生懸命だった。陽射しで雪がしまり雪上を歩けるようになったのだ。やっぱり活動のできる春は間じかとなっていた。

◆ 今年の山歩き、弥彦山でスタート


   3月の弥彦山・山頂奥の院から多宝山を望む

 3月6日、前日からの冷え込みで、朝から放射冷却現象で氷点下5度にもなった。お陰で霧が晴れると同時に暖かい陽射しがさしてきた。今日は雪の弥彦山を目指す絶好の日となった。
 3月に入って活動しやすくなって、かねてチャンスをうかがってきた。近くの鋸山は地震の影響と今冬の大雪の影響でこの時期、なだれ等の心配があり単独の自分の力量では不安のためスタートは弥彦山と決めていた。前日密かに準備していたら、家内に気づかれ単独は危険と同行を強制されてしまった。足手まといが一つ増え、仕方なく承知となってしまった。手近な山ゆえ、これもまたやむを得ない。朝霧のなか8時前、弥彦に向かった。
 この日の冷え込みは、越後の景色に思わぬ風景を展開してくれていた。田んぼの中の木立や庭の樹木に高山の樹氷を思わせる見事な景観を見せてくれていたのだ。取り分け見事だったのが分水の桜並木の樹氷の景色であった。

◆ 気軽に登れ、人気の弥彦山

 9時前に弥彦神社駐車場に着いたら既に満車。参詣客もあろうが、天候を予想した登山者の車であろうと想像できた。結局やや離れた競輪場駐車場に入っての出発とあいなった。
 9時30分、休眠中の登り口茶屋前を通過。雪は前年同期よりは多いものの、長岡に比較すれば山地にしては少なめだ。1mもあるだろうか。道は狭い一本道だがしっかりしている。今日も既に多くの人が入ったことがよく分かる。うしろからは年配の登山者が次々と追い越してゆく。まだまだこれから登る人が多いんだなと感心する。
 登り道はしっかりしまっていて踏み心地が気持よい。でも表面の雪は、夕べの冷え込みでパウダー質で滑りやすい。アイゼンなしでは注意が必要だった。しばらく行くうちに、下りてくる人がにわかに増えてきた。当然年配者が多い。単独者も目に付く。特に何ももたない身一つの年配者が多いのが気になった。近郊の慣れたベテランが多いのだろう。やっぱり気軽に登れる人気の山なのだ。お陰で、互いの道を譲り合いに相当の時間が割かれたが、登山者の多いことで初めての山行きには心強かった。

◆ 風もなく、越後平野を一望

 この冬以来はじめての登りで、暫らくは息切れがする。足元も滑りやすい。厚着の肌から汗も流れている。軽いトレーニングだけでは齢63の身にはやっぱり応えるのだろうか。幸い陽射しがあたって気持ちがいい。振り返って見ると真っ白な越後平野が一望に見える。
 滑りやすい雪に閉口。石柱の鳥居の5合目でアイゼンを着用した。以後足元が軽くなり順調。10時40分、ロープウイー口に到着。あいかわらず登山者の列が続いていた。2,3日前の雪が10pほど薄っすらとあって純白の道が頂上へと続いている。気温が低いのかこのあたり雪質がサラサラで気持ちいい。
 11時前山頂に到着。まずは奥の院に手を合わせて無事到着を感謝する。ほとんど風はない。曇り空で遠望はきかないが、海岸線と越後の平野が一目で見わたせる。信濃川分水から上流長岡方面鋸山まで、そして見附、三条、巻へと広がりが一望だ。おしいかな、守門山、粟ケ岳、それに佐渡など遠くの山々の眺望がきかなかったのが残念だった。それに家内のせいで缶ビールを携行できず乾杯できなかったのが心残りだった。

◆ 温泉、弥彦荘で疲れを癒す


   弥彦神社本殿から弥彦山頂を望む

 山頂は、集団登山の男女年配者でとても賑やかとなって混雑してきた。11時40分、山頂を後にする。下りは、まだまだ登ってくる人の道の譲り合いを避けるため途中尾根筋のルートをとることとした。夏道では感じなかった坂が、雪道では結構急坂になっていた。幸いロープが取り付けられていて安全は十分に確保されている。長靴に簡易アイゼン装着の家内にはアイゼンに雪がつまり、その上慣れない身で苦労だったようだが……。
 1時前に無事到着。今年初めての山歩きを終了した。ことのついでに弥彦神社にお詣り。先行き一年の登山祈念をして帰路につく。帰り道にある弥彦観音寺温泉の弥彦荘に立ち寄る。ここは30年ほど前、郵政互助会が創設した宿で、わが大先輩が当時責任者となって建設した宿で、昔よく利用した懐かしい場所である。いまは新潟県総合生協の福祉施設となって経営されている。
 ゆったり湯につかり、今は亡き大先輩をしのび山の汗を流して別れをつげた。この一日をスタートに今年の山歩きの出発としたい。次は残雪の春山、近くの鋸山、そして守門、粟ケ岳、……どこまで実現できるだろうか。

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